猪瀬・竹田の宮内庁トンデモ陰謀論

（承前）

猪瀬直樹氏と竹田恒泰氏の
「週刊現代」（1.21）の対談には

「天皇家を利権にせよ
-宮内官僚の陰謀を暴く」

なんて、おどろおどろしい
タイトルがつけられています。

で、その中身は
男系固執派が必ず言う

「羽毛田長官陰謀説」です。

竹田氏は、
天皇陛下が言ってもいない
「女性宮家創設」を、
羽毛田宮内庁長官が勝手に言ったと
「確信」していると言います。

その理由は、
陛下がご即位の際
「日本国憲法を順守する」
とおっしゃり、以降、
一切政治的発言を
なさっていないのだから
「長官を使ってご自身の意見を
言わせるはずがありません」

だそうです。

さすが護憲派の竹田恒泰。

本来「皇室の家法」であり、
天皇陛下のご意思が
一番尊重されるべき
「皇室典範」の改正について、
天皇ご自身が発言なさることが
「政治的発言」になってしまう
異常事態に、何の疑問も抱いてません。

そもそも
天皇陛下が「日本国憲法を順守する」と
仰ったのは当然のこと。
その憲法が皇位継承についてさえ
天皇が発言できない悪法であろうと、
憲法である以上は立憲君主なのだから
「順守」なさるのです。

天皇陛下のことを
本当に心配していれば、
こんな異常な憲法の規定に従い、
皇位継承の危機にも沈黙を強いられる
陛下の心痛はいかばかりか
と思うはずで、
羽毛田長官はそのために
動いたと見るのが当然です。

ところが竹田恒泰は、
日本国憲法を守ると言った以上は、
一切皇統の問題でも
発言しているはずがないと、
バッサリ切り捨てる。

要するにこの人は、
天皇陛下よりも占領憲法が
大事なのです。

まあ、わかってたけど。

で、何のために羽毛田長官が
「陰謀」を働いたのかと
猪瀬直樹がでっちあげる話ときたら、
「ユダヤ陰謀論」や「UFO陰謀論」
よりも程度が低い。

天皇が福祉団体の行事に
ご臨席になれば、
その団体には大変な「名誉」となる。
どの団体に臨席するか
調整するのは宮内官僚であり、
それが「利権」になっている、
というのです。

…はあ？

女性宮家を創設したら、
宮内官僚にどんな「利権」が
発生するんですか!?

猪瀬はもう
「官僚＝利権＝悪」
で頭が化石化してます。

宮内庁が
天皇陛下のスケジュール調整で
具体的にどんな「利権」を得たのか
一切指摘せず、ただ
「官僚なんだから甘い汁吸ってんだろ！」
の決めつけで言ってるだけですから、
これは完全に名誉棄損です。

その上、
「皇族のスケジュール管理は
官僚の手から取り上げて
民営化した方がいい」
と言い出すに至っては、
もう気が狂っているとしか思えません。

「公」の極みである
天皇陛下のご活動を
「私」企業に任せる!?

民営化真理教です。

民営化した方が
利権が生まれるんじゃないか
と思わないところがまた異様です。

こんなわけのわからん
誹謗中傷に曝されている
羽毛田長官に、心から同情します。

　　羽毛田長官発言をどう考えるかは、『新天皇論』第13章！

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